ICFG®内部循環流動床ガス化システム

独自技術「燃やすだけではないごみ処理=ICFG®内部循環流動床ガス化システム」で世界のプラスチックリサイクルを変える

「燃やすだけではないごみ処理」とは?

自動車や飛行機からの排気ガス・暖房・火力発電所・牧場にいる家畜や私たち人間の呼吸まで、生活と切り離せない二酸化炭素排出を減らしていくチャレンジの中で、当社でごみ処理場を国内展開する環境カンパニーは「ごみ焼却」によるCO₂発生にユニークな角度からトライしています。

それは「燃やすだけではないごみ処理」というちょっと想像しにくい方法。挑戦する素材は「プラスチック」です。現在プラスチックごみは家庭ごみの15%を占めています。総量は824万トンで、およそ8割が「すでにリサイクルされている」状況です。しかしながらそのリサイクル方法は60%以上(510万t)が熱回収=サーマルリカバリー。燃やして発生した熱を有効に使うというものです。有用なリサイクル方法ですが、焼却の過程でCO₂が発生してしまいます。

一方で、CO₂を発生させないリサイクル方法も存在します。プラスチックを洗浄・粉砕し・粒状化したものを溶かして再利用する「マテリアルリサイクル」(177万t)や、プラスチックの成分を合成の途中段階まで分解して化学物資にする「ケミカルリサイクル」(29万t)など。つまりプラスチックごみリサイクルの未来は「サーマルリカバリー」をいかに「マテリアルリサイクル」と「ケミカルリサイクル」に置き換えていくかにかかっているのです。

当社独自の技術を開発

そこで当社は独自の技術「ICFG内部循環流動床ガス化システム」を開発しました。これは温度管理された高温場においてプラスチックを熱分解し、エチレンやプロピレンなど「二酸化炭素以外のガスを取り出す」技術です。ICFGは、さまざまな素材が混ざっているごみを可燃物・不燃物・ガス・空気などに分けて処理するごみ処理場の技術をもとにして生まれた、荏原独自の技術です。ICFGは分別が困難なさまざまな素材や異物が混ざっている廃プラスチックの処理を実現するとともに、その過程で二酸化炭素を出さずに別の素材に利用できるガスを得ることで「ケミカルリサイクル」を可能とするアプローチです。

※写真は「2000年代の実証時」

分別が難しいごみのケミカルリサイクルを目指す

もちろん、一人ひとりのごみ分別はとても重要な取り組みですが、個人がごみ分別を行ってもなお「分別することが困難な」ごみのためにICFGを役立てようとしています。例えば食品が付着しているプラスチック容器や、一部だけにプラスチック素材が組み込まれている機器。私たちの生活は個人の努力では分別が難しいモノに溢れています。当社はそうした分別できずサーマルリカバリーに回すしかなかったごみをケミカルリサイクルに置き換えることに貢献します。国内では業界団体一丸となり、現在の29万tから250万tへの大幅な拡大を目標にしています。

日本だけでなく世界へ普及させる挑戦

そしてこの技術が活躍できるのは日本だけではありません。世界を見ればごみ分別が根付いておらず、焼却設備すら十分に行きわたっていない地域があります。それでも未来の人類のために、脱炭素は進めなくてはなりません。
ごみは人間が生活する限り必ず発生します。当社は「どんなごみも取り残さない」チャレンジに向かっていきます。