私は数年前まで北海道大学でエンジン燃焼,水素燃料電池,将来エネルギーシステム解析に関して研究を行っており,環境やエネルギー関連技術で活躍されている荏原製作所から時報原稿の依頼をいただいたことを嬉しく思っている。本巻頭言では将来の主要なエネルギー構造と経済影響に関する持論を述べさせていただこうと思う。
地球温暖化の原因と考えられている温室効果ガス削減は全世界共通の課題であり,全世界で2050年カーボンニュートラル実現を目指しています。
荏原の環境カンパニーでは廃棄物処理施設の設計・建設や運転・維持管理に取り組んでいます。私たちが排出する廃棄物は,衛生的に安定化処理できるといった利点から主に焼却処理されていますが,その反面,廃棄物中の炭素は全てCO2として排出されます。こうした状況を改善すべく,当社は廃棄物を熱分解・ガス化処理して水素ガスやその他の可燃ガス,オイル等の炭素資源を回収するケミカルリサイクル技術を実用化することにより,廃棄物処理におけるCO2発生を削減し,カーボンニュートラル社会の構築に貢献することを目指しています。
エネルギーカンパニーに属するエリオットグループ(以下,エリオット)は,コンプレッサ,タービン,クライオ製品およびそのソリューションを提供しています。これらの製品・ソリューションは,オイル&ガス市場(石油精製,石油化学,LNGなど)を始めとした幅広い産業で利用され,世界中のエネルギーインフラを支えています。
荏原冷熱システム㈱の製品に吸収冷温水機があります。オフィスビル,工場,空港,商業施設や地域冷暖房施設などで快適な空調空間を提供するための熱源機です。図1に示すように,①蒸発器,②吸収器,③再生器,④凝縮器から構成され,冷媒の蒸発を利用して冷水や温水を作り出す装置です。冷温水機のエネルギーはガスや油などの燃料で,燃料の燃焼熱を利用して,間接的に水を冷やしているのです。冷たい水を作り出すのに高温の火を使う面白い装置です。
国土交通省北海道開発局札幌開発建設部空知川河川事務所管内の赤平排水機場の設備更新工事を行った。施設の「無水化」と「簡素化」を目的とした本工事は,エンジン駆動の立軸ポンプをコラム形水中ポンプへ更新するなど,課題の多い工事であった。そこでレーザースキャン計測や3Dデータを活用し,様々な設計検討や施工シミュレーションを行うことで機器搬入やレイアウトに対する課題を解決し無事に竣工することが出来た。
寝屋川市高宮ポンプ場は,寝屋川北部流域関連公共下水道事業計画に基づき,高宮ポンプ場整備事業として新設された雨水排水ポンプ場である。本ポンプ場は,日本下水道事業団より発注され当社は雨水排水ポンプ設備を納入した。本設備工事の概要と特徴,施工上の工夫と騒音対策等について紹介する。
神奈川県の藤沢市北部環境事業所に可燃ごみ処理施設を2023年3月末に納入した。本施設は水冷火格子を導入したストーカ式焼却炉を採用し,安定したごみ焼却を行うと共に,蒸気常用圧力4MPa×常用温度430℃のボイラを採用することで高効率なエネルギー回収を可能とした。さらに本施設の特徴として可燃ごみ等搬出装置,可搬式ごみ投入装置を設置している。本書では本施設の施設概要・特徴と運転状況を報告する。
「蕨戸田衛生センター」の基幹的設備改良工事を行い,2023年2月に竣工した。通常のごみ処理業務を継続しながら,停止期間が限られる共通系工事について十分な事前準備によって工事を完了させた。各炉の工事終了ごとに性能試験を実施し,全ての基準値を満足しつつ,基幹的設備改良工事前と比較し,施設から排出される二酸化炭素を各運転パターンで25%以上削減した。また,主項目である湿式有害ガス除去装置の撤去と付随する改良によって,環境負荷とランニングコストを削減することができた。
1966年頃の藤沢工場
100万kW火力発電所内で活躍する50%容量ボイラ給水ポンプ
長段間流路内の流線と後段羽根車入口の流速分布
真空の領域と用途例
座談会(檜山さん、曽布川さん、後藤さん)
標準ポンプの製品例
座談会(三好さん、佐藤さん、石宇さん、足立さん)
GSO型カットモデル
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