エバラ時報 No.221 p.14 大澤 博之 ほか
ダムのネットワーク化により,水資源を有効活用するという新しいプロジェクトが発足した。ダム連携とは特性の異なる二つのダムを導水路で連絡し水の相互融通を行うもので,当社は事業の中核となる導水ポンプ設備と返送設備を納入した。導水ポンプ設備は地下トンネル内に収められており,大型の立軸ポンプが二つの立坑内にそれぞれ1台ずつ設置されている。返送設備はダムの水位変動に追従して表層取水が可能なヒンジフロート式が採用され,フロート底部に収納されたポンプとの併用で自然流下やポンプ返送が可能である。返送制御はトンネルやゲートの水圧にかかわる制約のほか,季節ごとにダム水位が大幅に変わり時間的な制約も受けるなかで,実水位による調整を無事完了させた。